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同じように中学三年生のカギはハコの見せてきた切り抜きページを眉を顰めて見る。
それは結婚指輪特集と大々的に印字されたもので中学生のカギには想像も出来ないような金額が書かれた指輪たちがひしめいていた。
ハコは、その中の一つ、大粒のダイヤモンドに小さなダイヤモンドが螺旋状に散りばめられた指輪を人差し指で指す。
確かに綺麗だ。
ハコの白くて細い指には絶対に似合う。
しかし……。
「バカ高くねえか?」
カギは、書かれている値段に思わず引いてしまう。
「だから一生ものなんでしょう?」
ハコは、唇を尖らせて言う。
「いつか私もこんな指輪付けた可愛いお嫁さんになりたいなあ」
「あーっさいですか」
カギは、興味なさそうに呟き、リンゴジュースのストローの先を噛む。
「ハコと結婚する奴は大変だな……」
カギがそう言うとハコの目が大きく震える。
「えっ……カギがくれるんじゃないの?」
「はあっ?」
カギは、思わずリンゴジュースを吹き出しそうになる。
「なんで俺が……⁉︎」
意味が分からず思わず声を上擦らせる。
「なんでって……」
ハコの目が小さく潤み出す。
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