指輪

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「俺達、別に付き合ってないだろう?」  そう。  カギとハコは幼稚園から一緒の幼馴染。  そこに恋愛関係なんてない……ない……はずだ。 「そう言うのはさ……結婚する奴にちゃんと言え」  カギは、噛み付くようにストローを咥える。 「じゃないと……そいつに失礼だからな」  カギは、底に溜まったリンゴジュースジュースを音を立てて啜った。 「……カ」  ハコの呟きが耳に入る。  カギは、ハコに目を向ける。  ハコは、大粒の涙を流し、顔を真っ赤にしてカギを睨みつけた。 「カギのバカ!」  ハコは、殴りつけるように叫ぶと立ち上がって去っていった。  カギは、呆然としてハコを追いかけることが出来なかった。  指輪の写真の載ったページだけがそこに寂しく残された。  それからハコはカギが話しかけてもつんっと無視をし、カギはハコの機嫌を直すにはどうしたらいいか悩んだ。  その数日後、ハコは奴らに拉致された。
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