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彼らは、"カーマ教"と名乗る信仰宗教の信者で世間一般的には"修験者"と呼ばれ、恐れられている。
カギが生まれる少し前、恐らく三十年くらい前に生まれて日本各地に広まった新興宗教だ。
仏教が百八のの煩悩を切り捨てることで悟りを身につけられると説くのに対しカーマ教は欲を強く持つことで新たな境地に到達することが出来ると説く。
つまりは欲望のままに生きることを推奨する宗教……。
簡単に言えばカルト教団だ。
そしてカギはそのカルト教団に単身で乗り込み、拳一つで信者達を潰していっている。
ある目的の為に。
男は、真っ青に腫れ上がった顔を上げてカギを睨みつけ、震える手でカギの足首を握りしめる。
爪が足首の皮膚に食い込み、血が滲む。
しかし、カギは眉一つ動かさず刀で切られたように鋭い目で修験者を見下ろす。
「神に逆らう不届者が……」
男は、唇を噛み締め、カギを穿つように睨みつける。
「地獄に堕ち……」
修験者は、最後まで言葉にすることが出来なかった。
カギが修験者の手を振り解き、そのまま顔を蹴り上げたからだ。
革靴の爪先が修験者の鼻にめり込む、骨の砕ける音が伝わる。
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