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心地よい重みがなくなって少し残念に思ったのも束の間、彼女のほっそりとした指がカミルのガウンの前をくつろげる。そうすれば否応なしにルフィナの目の前に晒されるのは、痛いほどに反応しているカミル自身。
「まぁ。これがカミル様のカミル様……おっきい」
まじまじと顔を近づけて確認されて、一気に羞恥心が湧き上がる。しかもあろうことかルフィナは、その可憐な口でカミルのものを愛するつもりだと言うのだ。
艶やかな赤い唇をぺろりと舌で舐める仕草があまりに妖艶で、目が離せなくなる。
この小さな口の中に自らの欲望をねじ込みたいという昏い願望と同時に、そんなことをすればこの美しい妖精のような彼女を汚してしまうという制止の声が頭の中で渦巻く。
一瞬うっかり流されそうになったものの必死に理性を取り戻したはずが、気づけば再びルフィナが身体の上に乗っていた。
「それでは、いきますわよ」
「え? ちょ、待て……」
慌てて制止するものの、ルフィナは自らの身体の内にカミルを受け入れようとしていた。全く慣らしていない身体に受け入れられるはずがない。
案の定ルフィナは眉を顰め、涙まじりの悲鳴をあげて動かなくなった。ぽろりと彼女の白い頬を伝う雫を見た瞬間、全身が冷えていくような気持ちになった。
だが、カミルも別の意味で泣き出しそうだった。
だって、これ以上ないほどに寸止め状態なのだ。目の前には一糸纏わぬ愛しい人。あとほんの少しで一線を越えられる距離にいるのに。
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