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「……それ、キープってこと? 他にちゃんと好きって言える人が見つかるまで傍にいろ的なことが言いたいの?」
「ち、違う! そうじゃなくて。青井が言ってた条件の人が俺にとって青井のことで。それに当てはまるってことは、俺って青井が好きなんじゃないかって思ったら、離れて行かないで欲しいって思った……から」
言い訳みたいに続ける。
青井は話を遮ったりせず聞いてくれていたが、俺が口を閉じると盛大なため息を吐いた。
「条件に当てはまっただけじゃん、それ。あたしが好きってことにはならないんじゃないの?」
「そうかもしれないけど、でも青井が他の人と付き合うって思うと……嫌だ。それは好きってことにならない?」
「友達が取られるのがいや、みたいなことじゃないの?」
「違う」
「分かんないじゃん」
「分かる」
押し問答のようなキャッチボール。
青井が少し怒っているのが分かった。
好きかもしれない、なんて曖昧なことを言ったせいかもしれない。
「俺、青井がいい。隣にいてくれるなら、青井がいい」
青井の顔が一気に赤くなった。
俺から視線を逸らした青井を、それでも俺は見つめ続ける。
彼女の返事を待って。
「っ~。もう……なんなのそれ……」
青井が両手で顔を隠して俯いた。
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