クラスの人気者

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「いやだったら、断って」 「……いやじゃないから困ってんでしょ」 消えそうなくらいにか細い声。 それって……。 「それって……さ」 「あたしはもっと前から好きだったよ。でも、結城はそういうの興味なんだと思って。でも近くにいたいから、友達でいたの」 青井が根負けしたように白状した。 青井にそんな風に思われているとは知らず、初めて聞いた青井の告白に驚いた。 「べつに結城の顔とか家とか人気度とか、そんなのはどうでもいいよ。いや、顔はちょっとタイプだけど……。でも、結城の味方でいたかっただけ。それだけ」 「そんな風に言ってもらえたの、初めてだよ。ありがとう青井。ねぇ、俺と付き合って、ください」 「……ん」 短い返事と小さな頷き。 俺は初めて自分から人を好きになって告白をした。 俺も彼女の味方でいたいと思った。
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