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苦労人
定時後の総務部室に私、瀬渕涼子と総務部長、市野圭佑の２人。
静かに各々が残業をしていた時…。
唐突に、部長の叫び声が部屋に響いた。
「はぁ～…！！ もう…俺、無理。忙しすぎるって…マジで…」
「………」
頭を抱え、俯く部長。
掛ける言葉が見つからない、私。
「……嘆いているところ、恐縮ですが。お渡ししている５月分給与の書類を一式下さい。先に進めません」
「本当に待って～…手が回らないのよ…」
「……」
「終わらないから…帰れない……」
最近、凄く思う。
市野部長。
いつも何かに追い込まれていて、物凄く可哀想だ…。
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