10月 博物館

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10月 博物館

土器があった 割れたそのうつわに なみなみと盛られた秋の実り あなたもどうぞと 勾玉をつけた人が誘う 埴輪があった 墓守であり死後の友人であった 古墳よりいでしもの あのひとはどこ? ケースの中に主はいない 古文書があった 多様な筆跡の奥に 確かにある過去の息吹 貴方へとどけと 筆を執る着物の人がいた 刀剣があった その刃文は永久(とわ)の刹那を纏って 誉疵(ほまれきず)はいつかの戦を奏でる 武器として失うものかと 美術品を守る人々の姿 博物館には 沢山の人がいて 沢山の声が聞こえる 長い年月を息づいてきた 静かで賑やかな彼らの城 そっと一礼した出口の近く ポスターを見れば 次の企画、好みかも ふふ、逢いに行きたいな
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