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「おかしいって、何がです?」
「男性から向けられる視線が嫌だったのに、オズウェル様にはもっと私を見てほしいの。オズウェル様が何を考えていらっしゃるのか知りたい。触れたいし、触れられたい」
言い終えてから、自分がとてつもなく恥ずかしいことを口走ってしまった気がし、メリナはカップをあおって紅茶を飲み干した。
「ふふっ、その気持ちを直接旦那様にお伝えすれば話が早いと思いますけれど?」
ノーラは笑みをこぼし、空になったカップに紅茶を注ぐ。
「……恥ずかしい」
メリナはぐるぐるとスプーンで紅茶をかき混ぜる。
「大好きだの可愛いだのと私相手に散々のろけられるのにですか?」
「だって、オズウェル様は私に興味がないかもしれないのよ。だからといって嫌いになることはないけれど、悲しい」
オズウェルが自分を妻に望んでくれた理由がメリナにはわからなかった。わざわざ隣国から来てくれたのだから、それなりの理由があるのだろうが。
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