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「で、本題に戻るけど、『奥さんとしてない』なんて話して俺にどうしろっての。人間の女の子を悦ばせる方法でも聞きたいわけ? それとも処女の抱き方?」
オズウェルはもう一度抜刀したくなるのをどうにか堪えた。
ネコ科獣人はなにかと切り替えが早い傾向にある。ルーカスがそういう猫らしい性格であることも知ってはいるが、やはり相談する相手を間違えた。とはいえ、プライベートのことを話せるような友人は他にいない。
「……性欲を抑える方法が、知りたい」
オズウェルはテーブルに爪を立て、ほとんどうめくように言葉を紡いだ。
「は?」
ルーカスの瞳孔が大きく広がる。
「聞こえていたのにわざわざ聞き返すな!」
「いや、そんなこと俺に聞いて参考になると思うのか? よっぽど追い詰められてんのな」
ルーカスはくくっと喉を鳴らし、酒のつまみに用意したローストナッツをがりがりと噛み砕いた。
「ってか、やってない時点でちゃんと抑えられてんじゃねーの」
「……夜中にトイレや浴室で――てる」
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