オズウェルside1 妻が可愛くてもげるほどつらい

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「抱かないのに、奥さんをおかずに抜くとかどんだけ高度なことしてんだよ」 「誰がそんなことをしたと言った!」 「じゃあ別の女のことでも思い浮かべてやってんの?」 「いや……」  オズウェルは言葉に詰まる。  いけないと思いつつ、毎回頭に浮かぶのはメリナの姿態だった。 「あはははは! 奥さん似の子がいる娼館でも紹介しようか?」 「他の女を抱きたいわけではない」 「ほんと昔からストイックだよな。生きづらそ」  オズウェルとは対照的に、ルーカスは軽薄な博愛主義だ。真逆だからこそ最初はそりが合わなかった。自分には持っていないものを持っている、と相手への見方が変わってからは親しくなるのに時間はかからなかった。 「ガルシア夫人のサロンに通うようになってからだろうか、メリナの行動に変化があって。弱音など吐きたくはないが、正直そろそろ限界なんだ」  オズウェルが髪を掻きあげると、うしろに撫でつけていた髪がはらりと乱れた。
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