メリナside2-2 信じたい

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メリナside2-2 信じたい

「メリナ! 中にいるのだろう、ここを開けてくれ!」  どんどんどんっ! と叩き壊す勢いで寝室の扉がノックされた。  メリナはびくっと身体を震わせ、ナイフを取り落としてしまう。  誤魔化すべきかナイフを拾うべきか逡巡(しゅんじゅん)していると、先ほどの比ではない轟音がメリナの鼓膜に刺さった。  重厚感のあるウォールナットの扉が蹴破られ、黒い塊がものすごい勢いで部屋の中に入ってきた。  メリナは体当たりされるような勢いで、黒い塊――オズウェルに覆い包まれる。 「オズウェル、さま?」 「何をしていたかは尋ねない。だが、己を傷付けるような真似だけはやめてくれないか」  メリナを抱くオズウェルの腕に力がこもった。  身体よりも胸が苦しくなり、メリナはうめくように息を漏らす。 「私は、私自身に嫌気が差したのです。この印がある以上、オズウェル様にとって私は重荷でしかありません」 「俺がいつそんなことを言った?」  オズウェルの声に怒気がにじむのをメリナは感じた。
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