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「やましいことをなさっていたんですか?」
「やま……まぁ、なんだ、本当にやめよう。君が心配するような不貞行為では決してない。それだけは断言できる」
「不貞行為ではないけれど、やましいこと?」
中途半端にヒントを与えられたせいで余計に気になる。
今までオズウェルの口数が少なかったのも、本当は口が滑りやすいから喋らなかっただけなのかもしれない。
「そこまでだ」
オズウェルはため息混じりに囁き、メリナの耳に歯を立てた。
「きゃっ!」
「俺のことより、君のことを教えてくれ」
オズウェルは耳から首にかけて唇を落としていきながら、器用に爪の先でドレスの留め具を外した。
「どこをどうされるのが一番感じるのか」
ドレスがするりと腰まで滑り、肌が外気に晒される。
メリナが隠す間もなく、オズウェルの大きな手が胸に触れた。爪が当たらないよう、手のひらでゆっくりと押し上げる。
人間と違って肉球があるため不思議な弾力があった。日頃から剣を握っているせいか皮膚がやや硬い。
「あっ……ぁ……」
メリナはか細く喘ぎ、切なく唇を噛みしめた。
好きな人に触れてもらえた嬉しさと、自分のありのままを見られる恥ずかしさがメリナの中で拮抗する。
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