CHAPTER Ⅳ

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「大変申し訳ございません。お嬢さまの体調が宜しくないようで、夜遅くにも関わらず、彼女についておりました」 「……。リリィにつけていたメイドは何をしている?」 「それは……」  それについて、エリックは知らなかった。しかし、ここで知らないといえば、そのメイドはおそらく暇を出されてしまう。 ——今晩起こったことは、普通のことじゃない。なんて説明しよう。  エリックが黙り込んでいると、背後でリリィが起き上がる音がした。 「お嬢さま!」  エリックは振り返る。しかしリリィはエリックを見ておらず、その瞳はカンバス卿を見つめていた。 「お父さま、大変です」 「リリィ、何があったんだ」 「私としたことが、。エリックがここにいるのは、私を心配したせいだと思われます」 「だと! なぜ、私にだまって持ち出した!!」  カンバス卿は、顔を真っ赤にした。  エリックは話が見えず、ただ呆然としている。 「大変申し訳ありません、お父さま。私も、気づいたらここに……」 「まさか……あいつか!!」  カンバス卿はぐるりと振り返り、大股で廊下を歩き出した。  エリックとリリィは顔を見合わせたあと、カンバス卿の後を追った。
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