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CHAPTER Ⅳ
その後、再び意識を失ったエリックだったが、目を覚ますと元の図書室に戻っていた。
床に倒れていたエリックは、誰かの気配を感じて首をぐるりとまわし、横を見た。
――お嬢さまが、倒れている!
エリックは飛び起きてリリィのもとへ駆け寄った。
「お嬢さま、しっかりしてください!」
身体を強く揺さぶると、リリィは小さく唸り声をあげた。
――よかった、生きている!
エリックの安心も束の間、背後にはある人物が立っていた。
「エリック、そこで何をしているのだね」
ギクリ
エリックはぎこちなく振り返った。
そこには、冷ややかな目をしたカンバス卿が立っていた。
――まずい、見つかってしまった!
エリックが今、一番会いたくない人物だった。だが、状況を考えると、そんなことは言っていられない。
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