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くしゃくしゃの紙切れが一枚。
乱れた呼吸のまま、ゆっくり中を開く……。
『コレカラモ、フコウハツヅクカラナ……』
末松は恐怖のあまり、紙切れを手から放してしまった。
裏面が目に入ると、そこには末松の個人情報がびっしりと書かれていた。
そこで、ピンときた。
――占いの館に行った時のことが、フラッシュバックされる。
まさにあの時書いていた、乱暴なカタカナ。
それとまるっきり一緒だ。
あの占い師は、ワンダールームの管理人だった?
ルールを破ったせいで、こんな恐怖に追いやられてしまったのか。
末松の頭の中がグルグルし始めて、そして狂気じみた笑いを発する。
「一体……一体俺が、何をしたって言うんだぁ!!」
――張りつめていた何かが切れて、末松は気を失った。
〈完〉
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