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「どうしてこんなことに……俺は……こんなつもりで掲示板を登録したわけじゃないのに……」
耳を押さえて、目を瞑る。
普通に生活していた毎日のことを思い出し……涙を流した。
あの頃は、彼女との毎日、そして仕事の日々を謳歌していた。
充実感に溢れていたのに……今はどん底だ。
たった一つの掲示板で、精神を病むなんて……どれだけ報われないんだ……神様を恨むように舌打ちした。
「くそっ、くそっ!」
ベッドの中で叫ぶ末松。
心の叫びを発散させて、少しでも心の闇を放出させたかった。
俺はまだこれからだ……まだこれからなんだと……自分に言い聞かせる。
こんなヘンテコな掲示板、なくなればいいのに……ついにはワンダールームのことを恨むように考えてしまった。
ベッドの中で泣き叫び続けて、何時間経っただろうか……末松は疲れて、眠ってしまった。
すると、気のせいか……玄関のドアがドンドンッと乱暴に叩く音が聞こえた。
末松はびくびくしながら起き、掛け布団を取る。
……ドンドンドンドンドン……
止まないノックに、手足が震える。
「な、なんだよ……」
……ドンドンドンドンドン……
こんなタイミングでいたずらか? もうそんなの対応できるほどのメンタルはないぞ……末松は涙目になって、そのノックが終わるのを待った。
……数分後、ノックは止み、静かになる。
「何だったんだよ……」
警察を呼ぼうかと握りしめていたスマホが、床に落ちる。
脱力してしまい、腰が抜けた。
息遣いが荒くなった末松は、ゆっくり玄関に行き様子を確認しようとする。
玄関ののぞき穴に目を合わせようとしたところで、玄関ドアに取りついている郵便受けがカランと鳴った。
乱暴な音に、また腰を抜かす。
呼吸が乱れ、まだ手の震えは継続されている。
末松はおそるおそる、郵便受けの中身を確認した。
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