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真輝はきっかり定時に目を覚ました。
NXも完全にスリープモードになっていた。
真輝がカーテンを開けると、眩しいくらいの朝陽が差し込んだ。
「おはよう。NX。本当に雨が降るの?」
「99パーセントの確率で降ります」
「じゃあ、1パーセントは降らないってことね」
「99パーセントは100パーセントと同じ意味です」
「なら100パーセントって言えばいいじゃない」
「100パーセントは神の領域です。ワタシは神ではありません」
「そうだ。NXって呼ぶのも、まどろっこしいから、名前で呼ぼう。うーむ。そうだなあ。コタローでどう?」
「ワタシは構いません。ですが、コタローというのは、昔飼っていた犬の名前ではないですか?」
「すご!どうしてわかったの?」
「だいたい、ワタシに名前をつける人はペットの名前にします。そして、ペットと言えば、犬か猫になります。コタローという名前から猫ではないと判断できます」
「大した分析力だわ」
「こんなのは序の口です」
「わたしは篠宮真輝。真輝って呼んで」
「わかりました。真輝さん、よろしくお願いします」
「あ、もうこんな時間!行かなきゃ」
コタローと話している間に貴重な時間を浪費してしまった。
「ロジャー、今日のランチは和洋中、どれがいいかな?」
同僚の三橋冴子がスマホに訊いた。スマホに搭載されたAIが即座に応える。
「三橋さまは少し、脂質が増えすぎているので、和食をおすすめします。但し、醤油のような塩分は控えめに」
「よし、今日は和食で決まり」
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