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「……まぁおれはともかく他の連中には謝れよその物言い。別に全員がバトルジャンキーじゃあ」
「よっしゃやってやりましょう皆さん! 目指すは優勝全滅エンドです! 全員根こそぎバッタバッタ!」
「ボクはそこまで……でもまぁ、やれることはやろう。勝てる試合は勝たないとね……! 」
「そらもうこれもんですよ! なんたってオレ達には兄貴がついてますからねぇ!? 頑張りましょうぜアニキ!!」
「うん分かった、おれが悪かった。みんなヤベェよちゃんと」
星純はとりあえず考えるのを諦めた。
卓に着いた全員が戦闘狂なのは──かなり不本意だけれど──この際良いとして、星純はひとつ当然の疑問を口にしてみる。
「ところで、他のクラスはどうなってんだ?」
「今ごろ他所のクラスも作戦会議中だろうな。キリエ=ブルーリバー教員の受け持つ三組は完全秘密主義で情報は探れなかったが、もうひとつの方はある程度目星が付いた」
「何処になったんだ?」
星純の純粋に疑問に、ギルバートは肩を竦めて苦笑する。
「我々もよく知る面子だよ。一月前、一緒に戦った、な」
「……おい、まじかよ」
ギルバートの苦笑が、微かに星純へ移る。互いに、脳裏に過るのはほんの少し前の大惨禍。
燃え落ちる町の、逃げ惑う人々の、理不尽に襲いかかる暴力の。けれどそれらに真っ向から立ち向かう、躍動する人型の獅子と黒髪の少女。
彼らの姿に思い至ったところで、改めてギルバートが卓上に身を乗り出す。
「まずは分かるところから対策を考えよう。狙いはもうひとつの相手、ウェイド教員の受け持つ三組。レオン=ヘイズ、ネルソン博士らの率いる精鋭だ」
ギルバートの言葉に、始めてその場の全員に緊張が走った。
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