彷徨う君を探して

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 何処かの民家にて、ニュースが流れていた── 『ここで速報です。先月の四日から行方不明となっていた◯◯ちゃんが遺体となって発見されました。 外傷はなく、死因は長期間食事を取れなかった事による“餓死”……との事です。 発見された場所は自宅から数キロ離れた森の中という事で、現場にはスケッチブックや虫取網等が残されていた事から、◯◯ちゃんが一人で森に遊びに行ったところ、森の中で遭難してしまったものと見られています』  内容を耳にした瞬間、誰かの遺影の前に居た女性は声を殺して、泣いていた。  身体を震わせ、苦しそうに。 「大丈夫です。あの()からも、ちゃんと集めました」  窓の外、誰にも干渉されない彼は届かないと理解(わか)っていても、言わずにはいられなかった。  その一言を── 「
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