アイツとソイツ

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アイツとソイツ

虐待の連鎖で、できてしまった劣悪な家族。 父親も母親も抑圧されて育ったのがダメ。 そんな両親の元に生まれ出でた子供は愛は頂けたのでしょうか。 愛情が授かれなくて心が折れてジ○ツを考えたが生きるのを諦められなくて生まれたのが別人格。 「こんな世の中、嫌いだ」 「楽しめる世の中が、好きだ」 パッカ~ン。 くふふ、くふふ、くふふと~笑っているのは誰でしょう。 あ~オモチャだ。オモチャ。 人を蔑ろにして遊ぶんじゃねえよ! ストレス発散で出来たオモチャ。 誰も気がつかない~今日のあの子はアイツ、 ソイツはなかなか出てこない。 私はソイツの方が楽しい~アイツは小さくなりすぎてハッキリできない。 アイツが出てきたら平手打ち。 ソイツが出てきたら甘~いオヤツをあげる。 さてさて私は誰でしょう~分かるかな? 父親かな、母親かな、おばさんかな、おじさんかな、おじいさんかな、おばあさんかな···· 。 くふふ、くふふ、くふふ。 余り関心を持たないご近所さんから通報された。 「変なんです。 ビターンって物凄い音の平手打ちですかね~聞こえるんです。 毎日ではないですよ、けどね外でお子さんを見かけるんですけどヘラヘラ笑っているんです。 かと思えば暗い顔して蟻の行列をしきりに潰しているんです。不気味です。パトロールしてもらえませんか」 逢魔が刻は楽しい時間。誰にも邪魔されないで好きなように行列を潰す。 ダンゴムシも発見~ペッチャンコ~。 イモムシも発見~ペッチャンコ~。 楽しいが一気に貫き頂点に行きそうだったが睡魔に襲われた。 いつの間にか落ちていた。 此処は何処だろう····分からない。 何故か辺りが真っ暗闇で光も入ってこない此処は····部屋なのか外なのか分からない。 自分の生存確認。 床? 地べた? 取り敢えず柔らかくも固くもない感覚に手をつけて座っている。 脚も有る。 頭も首もしっかりしていそう····痛くもないし、怪我をしている様子はない。(出血や痛みもない) と言うより何処から何処へ落ちていた? 落ちたのではなく移動したのか、させられたのか? 分かった! これは多分、夢。 感覚は薄くても身体の怪我などないのは分かるが、周りの事が皆無。 そうか! 自分が寝ているからだ~ 起きれば良い! 目覚めろ自分! ····目が開かない····開いているが辺りが真っ暗闇 耳をすませばどうだろう····何か聞こえるか? 集中して音を探すが無音。 謎だらけ。 「ぎゃぁぁぁぁ~! 助けてくれ! 誰でも良いから、 返事をしてくれ~! 誰か~!」 誰も居ない空間は精神が壊れてしまいそうだ。 起きてこないアイツだが外見は一緒のソイツが起きてきて普通の顔で生活をしている。 《よしよし····良い調子だ。 このまま消えてくれ~》 実物には会うことは絶対ないが起きたときに第三者からの情報で別の人格が居ることを知る。 細かく細かく情報を集める自分が絶対好きではない人格が同じ体に生息している。 昔は狐憑きなんて言われる代物。 今はきっちり多重人格(解離性同一障害)と精神病の名前がついている。 《余計な人格さようなら。 アイツが起きて来ないから自分が主人格。 分かったか、ロクデナシ》 狐憑き、狐憑き、狐憑き~。 多重人格、多重人格、多重人格~。 さてさて 、どちらが本物? アイツとソイツどちらが本物? 主人格、副人格、どちらが本物の本人? アナタには分からない本人達にも分からない~ くふふ、くふふ、くふふ。
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