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一週間前の土曜日、親友のななちゃんと、テストが終わったご褒美という名目でイオンに遊びに行った。プリクラやら雑貨屋やら書店やら……、たくさん見て回った。だが、私は迂闊なことに本屋で買った星屑ちゃんの新刊を袋ごと駅のトイレかどこかに置き忘れて紛失したのである。帰り道で気づいた時には、思わず膝から崩れ落ちた。ななちゃんと別れたあとだったので、寄った場所を一つずつ戻って探したが、失くした漫画は見つからなかった。だから、しかたなく昨日、新しく新刊を買い直してきたのだった。それなのに、ページは折れてしまって、台無しになってしまった……。
またもや、ため息がこぼれたが、覆水は盆に帰らないし、折れたページたちも元通りにはなってくれない。若葉くんが大量の献本を持っているけど、頑張って描いた本をタダでもらうのは私のポリシーに反する。
私は、ベッドから降りて、状態が悪くなってしまった漫画本を本棚へと差し込んだ。
高さはそこまでないけど横幅はあって、収納力に長けている白い本棚。そこには、私が小学生の頃からこつこつと買い揃えてきた少女漫画がぎっしりと詰まっている。
漫画が好きだ。特に少女漫画は一等好き。普通以下のこんな私でも、恋愛している気分を味わえる。
しばらく、ずらりと並んだ背表紙を眺めていたが、ベッドから降りたついでに、つけっぱなしになっていた照明のスイッチを落とした。バチン、と壁の内側で音が響く。カーテンを引いたままなので部屋が薄暗くなる。
そうして少し暗くなった部屋で、唯一の光源となるのは私だった。
今日も今日とて、顔も、首も、胸も、お腹も、ショートパンツから出る太ももからつま先に至るまで――私の体はぼんやりとピンク色に発光していた。
やっぱり、暗いとちょっと目立つなあ……。
何とも言えない気分で、淡い光が灯った身体に視線を落とす。
私の肌は、先天的にピンク色に光る。
なぜ? そんなことは私が知りたい。
どういうわけだか、私は生まれたときから今に至るまでの十五年、体が淡いピンク色に発光している。幼少期は、お母さん(普通の肌の持ち主だった)がありとあらゆる健診や検査などに私を連れて行ったようだが、現在の医療技術では、原因も治す方法も、結局わからずじまいだった。
しかも、このピンク色の光は状況によって色味も光の量も変化する。
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