16 黒岩という女

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 篠原「あ、これね」 そこにはこんなことが書いてあった。 6月21日 17時  一般道にて、男子高校生の死亡が確認された。 ナイフらしきもので刺されており、出血多量によるもの。 犯人は黒岩命(くろいわみこと)。 6月27日午前6時に、自首をした。 黙秘を続けている。    庵哩「くろ、いわ?」  乍哭「でも、名前が違うね」  英「君たちは何も知らないんだね」  庵哩「誰?」  英「神谷英です」  庵哩「あ~」  優斗「ッ……英」  篠原「知り合いなの?」  優斗「……」  英「……」  乍哭「僕らが何も知らないってどういうこと?」  英「……そのままの意味ですよ」  英「黒岩かんなには裏があるってこと」  庵哩「裏……」  乍哭「どうしてそのことを君が?」  英「……幼馴染みだから」  優斗「え、?」  英「僕はかんなの全てを知っている」  英「だから、狙われるんだ」  優斗「狙われるって、黒岩にか?」  庵哩「……殺人犯、なんだもんな」  庵哩「情報を握られてる状況はよくない、ってことか」  篠原「何もついていけない……」  哩「何やら楽しそうね」  庵哩「……哩、さん?」  哩「どうも」  篠原「ま、また増えた……」  乍哭「何か用?」  哩「そろそろ旅立つ時かなと思って別れの挨拶でもしに来たんだけど……」  哩「別の問題がありそうね」  庵哩「黒岩命って知ってるか?」  哩「あなたたちも知っているはずよ」  哩「だって、黒岩かんなと同一人物なんだから」  英「……それ、言っていいんですか?」  哩「大丈夫よ」  哩「こっちは弱味を握ってるんだから」  優斗「じゃぁ、黒岩が殺人犯?」  優斗「そんな……」  篠原「……やっぱ、気にくわなかったのよね」  篠原「あの女」  庵哩「篠原?」  篠原「あんなのが親友なわけないじゃない」  篠原「優斗、これからは二人で過ごしましょう」  優斗「え、……それは……」  英「無理だよ」  英「優斗はかんなのことが好きなんでしょ?」  優斗「そ、そう……」  篠原「な、何で……?」  篠原「あんな女より、私の方が数倍かわいいじゃない!」  優斗「そういう態度が……好きじゃない」  優斗「俺、いじめもしたくなかった」  優斗「でも、従うしかなかったから断れなかった」  庵哩「……そう、なのか」  乍哭「庵哩は何でも信じるね」  乍哭「どうせ、印象よくするためのくせにね」  優斗「ち、ちがう!」  哩「あらあら、あのこの考える通りね」  哩「この記事が偽物だっていうのに」  一同「は?」
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