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17 哩の真実
命が去ってから、篠原は殺されたくないと騒ぎながら家に帰っていった。
家から一歩も出ず、引きこもるようだ。
哩さんはいつの間にか消えていた。
また、旅立つ前にでも現れるのだろう。
優斗と英、俺と乍哭で家に帰ることになった。
方向が一緒だからだ。
乍哭「ねぇ、庵哩」
庵哩「何だ?」
乍哭「乍哭の家に双子っている?」
庵哩「いや、いねぇけど?」
乍哭「そっか」
庵哩「……?」
乍哭「ごめんね、気にしないで」
庵哩「あ、あぁ」
翌日
乍哭side
乍哭「ねぇ、いるんでしょ」
哩「あら、昨日ぶりね」
乍哭「嘘ついてるでしょ」
哩「何の話?」
乍哭「庵哩の真実ってやつ」
哩「あぁ、あれね」
哩「9割捏造よ」
乍哭「だと思った」
乍哭「そんなものを伝えて何が目的なの?」
哩「ん~、君になら伝えてもいいかな」
哩「私は親族を消し去りたいの」
乍哭「親族って……」
哩「勿論、庵哩以外のね」
乍哭「もしかして……」
乍哭「庵哩の祖父母と僕のママを殺したのは……」
哩「ふふ、頭がいいのね」
乍哭「……僕のパパは親戚じゃないから殺されなかったのか」
哩「私はずっっと、庵哩のそばにいた」
哩「そうすれば、母と父を見つけることが出来るから」
哩「私は不倫同士の子だから施設に預けられていたから顔は見たことなかっ
たしね」
乍哭「庵哩のストーカーってことでしょ」
哩「酷い言い方だなあ~笑」
哩「双子がいたことも嘘ではないよ」
哩「私が消しただけ」
哩「そろそろ父と祖父母だね」
乍哭「まぁ、庵哩に影響はなさそうでよかったよ」
哩「それはよかったわ」
哩「庵哩に旅についていくってことだけ覚えておいて」
哩「私はあなたの味方よ」
乍哭「じゃぁ、三人で暮らせばいいじゃん」
哩「……近づきすぎると危険なのよ」
乍哭「……そっか」
乍哭「頑張ってね」
哩「えぇ、お互いにね」
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