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第16のトコロ:町田ねこの店
第15回に続き、町田のお話。
サイトには控えめに「猫カフェ黎明期からある老舗カフェ」と書いてあるが、現存する猫カフェはここが最古ではないかな。
もっとも「猫カフェ」という言葉が出てきたのは15年くらい前。猫カフェは関東の一部にしかなかったから、関西の人に話すと
「ドッグカフェならあるよ」
と返されていた。猫カフェは自分ちの猫を連れてくるところじゃないよ。
さて、猫カフェの歴史は単純ではない。まずは猫カフェの前進から。
猫カフェの歴史に詳しい友人によると、もともと猫好きのSEの間で「猫と会える家」の噂が広まっていったのだという。
文字通り、一般家庭に猫がいて、部屋の一部を開放していたと。猫がくるかもしれないし来ないかもしれないという……。
そんなところから徐々に猫カフェブームが起きたわけだが、町田ねこのみせは昔ながらの猫カフェのよさを持った店だ。
それは「猫がいる空間」。誰も猫に何も求めない、ただのんびりした時間を過ごしたい。
猫ものんびりしたい。人間に邪魔されず、部屋を闊歩したい。
(アッ)
町田ねこのみせを第一次猫カフェブーム(勝手に名付けました)とすると、第二次猫カフェブームは、突然の拡大により、それまで暗黙の了解だったルールが崩壊した時期だ。
猫カフェは猫キャバじゃない
だが猫に接客を求める人間が増えた。構ってほしいと追いかけるなどトラブルにもなった。
そんな中池袋の299(にくきゅう)は都会のオアシスだったのに閉店してしまった。
寝てる人や商談してるサラリーマンらが集う異色の空間だったのに。
空前の猫ブームと言われる昨今は、第三次猫カフェブームだろう。
今や猫カフェの猫は「推し」なのである。全国展開しているチェーン店に在籍する猫たちは皆それぞれのInstagramのアカウントを持っている。
入店前にチェックしておけば、自分の「推し」が見つかるかもしれない。
そして推しが見つかったら次は推し活だ。
私もその策略にはまりそうになった。1番人気の子をInstagramで見ているうちに会いたくなってしまったのだ。
そして会いにいくとまがまがしいオーラに包まれた猫さまが……。
幸いなことに、料金にびっくりしたので、都会の猫カフェチェーン店にはもう行ってないが、猫を飼ってない人で「猫のいいとこどり」したい人にはいいだろうな(最大限のイヤミである)。
2024年5月19日
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