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第23のトコロ:サントリービール工場
第23のトコロは大人の社会科見学と称してサントリービール工場へ。完全予約制だが人気のコースはすぐ埋まってしまい、なかなか予約をとることができない。そこで今回はその人気の秘密を探ることにしたのである。
私が行った東京武蔵野工場は、京王線/JR線分倍河原駅から無料シャトルバスで10分の場所にある。都心から行きやすい。
シャトルバスで工場に行き、簡単な受付を済ませると、20名くらいで1時間のツアーが開始される。工場内はほぼ全て撮影可能である。
ここはビール工場の中でもプレミアムモルツ専用の工場だ。
それなのにガイドのお姉さんは「今夜は東京クラフトを飲みます」という……(フラグ)。
まずはビールの原材料コーナーへ。9割が水、天然水だ。何十年もかけて作られるため、森づくり山づくりから行っている。
ツアー参加者に麦芽が配られる。噛むと味が変わっていき、甘味があるのを確認することができる。
そして。アロマポップ。勢いよく香りを嗅いだ私はむせてしまった。
次は〈仕込み〉層へ。
ダブルデコクション製とアロマリッチホッピング製法の過程を見る。
こちらのコーナーは35〜40の仕込み熱がある部屋だ。
次は〈発酵〉工程へ。
酵母により麦汁が酒にかわる部分。そう、我々は着実に大人の階段を昇っている。
ここでビールの「ラガータイプ」と「エールタイプ」の説明がある。酵母の温度によって変わるそうだ。
食事に合わせて飲みやすいのは、さわやかなラガータイプだが、サントリーはジャパニーズエールを開発したのだそう。
そして〈発酵〉、〈貯酒〉、〈ろ過〉の工程。どの段階でも作り手の5感が大事。熟成のピークを見極めるためだ。こうして荒削りだった若ビールの味や香りがまろやかになっていく。この過程は機械ではなく人間が行なっている。
ここまでは実際に目で見て体感することができるのだが、製品作りで最も重要な〈官能検査〉は、企業秘密満載ということで、VRで体験することになった。すべての過程のビールの品質をチェックし、最高品質を目指す。
仕事中酔っぱらわないのだろうか!?
最後は〈パッケージング〉、完成した缶ビールが箱詰めされてベルトコンベアに乗せられていく。
そしてついに! 工場見学が人気の謎が解ける時がきた!
見学終了後に試飲タイムがあるのだ。試飲といっても、スーパーで小さな紙コップに出てくるのとは違う。サーバーからその場で注がれる生ビールだ。
しかもプレミアムモルツ、プレミアムモルツ香るエール、プレミアムモルツマスターズドリームの3種類を飲み比べできる。さらにおつまみまでついてくる。
会場は一気に宴会に。
泡でアートを描いてくれたり、サーバーから注ぐ体験ができたり。
私が行ったのは1000円コースだが、どう考えてもこれはお得。勉強になって人気のビールも飲めて。
見学客は皆上機嫌になっているので、ガイドのお姉さんが「ビール缶から泡を作る」だけでも歓声があがる。
そしてガイドのお姉さんがツアー冒頭に触れた「東京クラフト」の話題になる。期間限定でホワイトエールが発売されるというのだ。
フラグは回収された。
ホワイトエールはチーズケーキと食べると美味しいらしい。
そんな具合で見学1時間、試飲会30分はあっという間に過ぎ、帰りのバスは酔っ払いだらけになった。
私は今まで質より量だったが、丁寧に作られていく過程を見て、高いビールを味わうスタイルに変えることにしようと決心した。
2024年7月18日
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