生首ラーメン

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 星川(ほしかわ)(りん)は、俺が二十六歳のときに二歳下の妹が産んだ子や。今は俺も四十歳やし、姪っ子も大きくなって十四歳や。つまり、上田君は何歳か知らんけど、たぶん凛より五つぐらい上やろ? 凛が好きなんや。そうはさせへん思うてたんやけど、この忙しさが閉店の三時まで続くんやったら凛に店手伝ってもらわなあかんやろな。親父はラーメンになってもうたし。胴体とだしの取り終わった生首は、まだ冷蔵庫におるけど。 〈豚の餌にしてくれてもええぞ。わしらは、豚を食いすぎたんや〉  なんやその格言。いや、それやったら火葬にするわ。 〈上田君はあれ、スパイなん分かってるか健一よ。あの若造、『ラーメン逆転醤利』と食べ比べに行ってる言うてたが〉  それでも、うちんとこ来る常連やねんから、かまへん。  なんか、今日はよう客が入るな。手が追っつかん。  あっという間に完売した。正午から一時までで売り切ってしもた。営業終了の一五時までに店閉めたんはじめてや。明日から寸胴鍋もう一つ用意せなあかんな。 〈明日の分は何でだし取る気や?〉  葬儀場か畜産農家に遺体があるか聞いてみよかな。
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