前編

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「ベイオ様、一体何を考えているのですか?」  親しい臣下のブレカは呆れながら若き王であるベイオに苦言を呈する。 「どうだ、カッコいいだろ?」  ベイオ王は自身の乗るウルブレードを見上げて誇らしげに言う。 「ベイオ様の戦場でのご活躍は確かに素晴らしい。毎回鬼神の如き強さで巨人を倒し、巨人の返り血を浴びてベイオ様のウルブレードが真っ赤に染まる。その戦果から真紅の王と呼ばれているのは我が国はもちろん様々な国でも有名な話です。しかし、気を良くして何も最初から紅く塗る必要はございますか?」 「専用機って感じで良くないか?」 「良くないです! いいですか? 専用機というのは味方は勿論、敵にも誰が乗っているのか丸わかりなんですよ。ただでさえ王が戦場の最前線にいるのにその王が存在感をアピールしていたら狙われるに決まっているでしょう!」 「このベイオの首が欲しければ挑戦すれば良い。返り討ちにするけどな。はっはっは!」
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