前編

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「せめてドヴェルグに頼んで専用のアーティファクトブレイブを造らせましょう。ウルブレードは量産性や整備、オールラウンダーで戦える汎用性に優れていますが、性能自体は高い訳ではありません。工業都市アーティファクトエレクトロニクスには優れたアーティファクト職人がたくさんいます」 「またそれか。ウルブレードは勇者神ヴァルキリーのリーダーであるファングラムを模して造られたアーティファクトブレイブだ。性能で語るのは我々のために戦ってくれる神々に失礼だろう。それに私の背中はお前に預けてある。これ以上頼もしい事は無い」 「そういうところです! そもそも戦いばかりに赴かないで政治をしてください」 「政治はな、優秀な大臣がたくさんいて頭の悪い私には出番がないのだ。せめて民を護らなければ王としての威厳が保たれん」 「そんな事というのも失礼ですが、そんな事で威厳を保たないで、他の事で威厳を保ってください!」 「ははは、相変わらず手厳しいな」  そしてベイオ王の乗る紅いウルブレードは更に戦果を上げてその名を轟かせる。
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