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「ほら洋介。お待ちかねの新しい家族だ」
そう言ってお父さんはでっかい箱を持ってきた。
ぼくはすっごくうれしくて箱の前に正座した。
ジャーンっていうかけ声といっしょに箱が開けられると、小さなどうぶつがカゴに入っていた。どうぶつはプルプルとしながらうずくまっていた。
「怖がっちゃうから、しずかにな」
お父さんのことばにうなずいて、ぼくはそっとどうぶつを見た。
ん?
ぼくはちょっとちがうような気がして、じっと見つめた。どうぶつえんで見たものよりも、ずっと小さいように思ったから。
「どうぶつえんのは、もっとずんぐりとまるまるだったよ」
ぼくがそう言うと、お父さんはちょっとあわててパソコンでしらべだした。
そして「あー!」という声を出して、ぼくに言った。
「あのな、動物園にいたのはモルモットみたいだ。この子はハムスターで、ちょっと違ったかもしれない」
でもこの子だってかわいいだろってお父さんは笑って言った。
ぼくも小さくってかわいいなって思ってたから「うん!」って大きくうなずいたんだ。
うちに来たハムスターは「ハム」って名前にした。
今はケージにある回し車をいっしょうけんめいに走って回している。ぼくは少しはなれたところからハムが走っているのを見ていた。「あんまり構うと病気になっちゃうぞ」ってお父さんが言ってたから、ちかくで見るのは一日に一回って決めたんだ。ちなみにエサをあげるのはぼくの役目。だからエサの時にはゆっくりとやってあげて、その間はハムがうごいてるのをじっと見るんだ。
さわりたいけど、ガマンガマン。
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