i love you,ok?

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 あと、僕が引け目に思ったのが、いつのまにか彼女に若干の劣情もわいてきたことだ。  とはいえ、あのような時期の少女で、被服の中身にあるものを想像したところで貧相なスタイルしか思い浮かばなかったが、それがとても清らかなイメージとして僕の中にあった。  もちろん、セックスなんて概念をまるで知らないころだったから、この僕の内側から漏れてくる汚らしい想像の出どころがどこなのか、長いあいだわからなかった。  ただ、そのせいで自己嫌悪も誘発して、まったく彼女に踏み込めなくなってしまい、そうこうしているうちに学年末で僕の家がよそへ引っ越すことになった。  が、それで、彼女とはおしまいになったわけではない。  新しい田舎町と学校になじめないこともあって、恋しさが募り、次の恋が始まった中二のころまで彼女に年賀状を書き送っていた。  転校時にクラス担任の計らいで、転校していく児童宛てに級友たちからのメッセージ集が作られることになっていた。そこにはクラス全員の手紙のような一文と名前、連絡先が書いてあったので、容易に彼女の住所も知り得たのである。  
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