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正反対でサイコーのカンケイ
犬神講の増援が着いたのは、全てが終わってから1時間くらい経ってからだった。
わたしは勝手に乗り込んで行ったことを怒られたけど、行かなかったら玲香が危なかった事も認められて、お咎めは軽めで済んだ。
「あの子、カワイかったのに……元気にしてるかなぁ」
浄化された蠱毒は犬神講が連れて行って、犬神として教育するそうだ。
ふわふわのポメラニアン犬神なんて、羨ましい。
「ね。でも、やっぱり黒檀が一番!」
わたしとシロちゃんみたいになろうと、玲香は黒檀と距離を縮める仲良し作戦を始めてる。
あのエラソーな黒タン相手は大変そうだけど、人も犬神も遠慮ばっかじゃわかりあえないもんね。
あの夜、言いたいことを言った玲香は憑き物でも落ちたみたいに明るくなった。
ずっとコンプレックス抱えてたんだって、謝ってくれた。
わたしだって玲香のこと凄いって思うけど、尊敬はしても妬んだりはしてないよ。
「飛鳥ちゃん、今日一緒にテスト勉強しよ」
「いいよ! じゃ、図書館行こ。家はじいちゃんうるさいし」
昔みたいにまた一緒にいると、金髪ギャルと優等生の組み合わせに見る人はギョッとする。
でもさ、違ってるから助け合えるんだ。
優等生とギャル、真面目とサボり魔、頭脳派と力任せ……わたし達は正反対だから助け合える、サイコーのカンケイなんだから!!
了
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