手に手をとって

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「助けに来たんだよ! 椋さん家の人達も近くにいる。もうすぐきっと犬神講の人達も……」 「なんで……? なんで飛鳥ちゃんなの……」 洞穴の中に玲香の悲しげな声が響く。 「私はこんなに努力したのに……なんでサボってばっかりの飛鳥ちゃんの方が優秀なの!? 昔から飛鳥ちゃんは大きな力があって、私は全然弱くて……でもその分努力したのに!!」 わたしは生まれつき強い力を持っていた。 けれど幼い頃はそれを持て余してよくトラブルを起こしてたんだ。 犬神筋だからと揶揄う男の子に動物霊をけしかけて怪我をさせたり……でも玲香は怖がりながらでも必死で止めてくれて。 孤立しがちなわたしの傍にいてくれた。 一緒に泣いて、一緒に笑って、一緒に怒ってくれた。 優しい、大事なわたしの友達……それが今、目の前で泣いてる。 「玲香は……玲香はすごいよ。知らない呪言とかいっぱい知ってて、力もコントロールが上手で……わたしが暴走しそうになるといつも止めてくれたじゃん」 「違う! 黒檀は思うように動いてくれないし、私は弱い……飛鳥ちゃんと白露みたいに上手く出来ない!」 わたしは力任せで直感的で、玲香みたいな呪言やコントロールは全然だ。 だからいつも玲香のことを尊敬してた。 玲香がわたしを避けるようになったのも、家のせいだと思ってたのに……
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