手に手をとって

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『小娘、アンタがやりなサイ。飛鳥の力を使っテ』 シロちゃんの説明を簡単にまとめると、ふたりの手の甲に呪印を書いて繋いだ手からわたしの力を玲香に流す。 玲香はそれを使って調伏をするというものらしい。 学校から直接仕事に来てた玲香がペンを持っていたのはラッキーだった。 「八つ当たりしてごめん。私、ずっと飛鳥ちゃんみたいになりたかった。自由で強くて……」 「わたしも玲香みたいになりたかったよ。優しくて、賢くて、なんでも出来てさ。でも……きっとわたし達は違うから助け合える」 手を繋いで、わたしの力を玲香に流してゆくと、不思議に子どもの頃に戻ったみたいな素直な気持ちで話が出来た。 「うん。飛鳥ちゃんの力、あったかい……」 玲香は片手を繋いだまま、空いた手で印を切って呪言を唱え始めた。 方陣の中に閉じ込められた蠱毒は激しく暴れていたけれど、わたし達の周りから温かい光が溢れるのを見て、徐々に大人しくなる。 それはなんだか、飢えていたあの子が少しずつ満たされてゆくみたいで、こっちまで浄化されるような気持ちだった。
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