20人が本棚に入れています
本棚に追加
わたしと玲香は放っておいて学校へと進む。
「特進クラスって中間のテスト範囲違うんだっけ?」
「うん」
この田舎町には高校はひとつしかない。
だから大半がそこに通うけど、頭のいい子も悪いのも一緒にしておくと授業のレベルに困る。
だからお利口さんは特進クラスに集められてる。
学年でも五本の指に入る玲香は特進、わたしは普通だ。
「飛鳥ちゃ……飛鳥はもう犬神講の仕事した?」
「まだだよ。そんなに怪異退治なんてないんじゃない?」
玲香はわざわざ言い直すけど、昔みたいに飛鳥ちゃんって呼んでくれたらいいのに。
子どもの頃は毎日親に隠れて遊ぶくらい仲良しだった。
わたしは今でも玲香を親友だと思ってるけど、いつ頃からか玲香からは距離を置かれてる感じ。
親から付き合うなとか、何か言われてるのかも知れない。
わたしはなにも気にしないタイプだけど、玲香は優しい子だから気になっちゃうんだよね。
「私、今日が初仕事」
「え……?」
犬神使いの仕事って、みんなにとって危険だったり迷惑だったりする怪異を退治しに行くってことだ。
体も危険だし、イヤな思いもたくさんするってお母さんから聞いてる。
玲香が傷つくのはイヤだ。
最初のコメントを投稿しよう!