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「……電話…ないね…」
もう30分くらい経つんじゃない?パパは恵茉に電話しているのかな…?ママが泣いているのかもしれない…
「動画だけじゃなくって、茉里の住み込みバイトを書き添えた給与明細とかも送った。データだけで時系列と事実は分かるようになってる。でもそれを全部見て、読むだけでも多少の時間はかかるだろう」
「すっご…準備してたの?」
「大した事ない」
「あっ…」
私のスマホが短く震えたから起き上がろうとしたけれど、桐斗さんが取ってくれる方が早かった。
「希海ちゃんだ…明日遊ぼって…」
私にそんな時間、あるのかな…
「ここに来てから遊んで無かっただろ?いいんじゃないか?どこ?」
「モールぶらぶら。冬限定フラペチーノが出るっていうのも、行こ…って…」
「買い物出来るな。ここで俺と一緒にバーチャル試着の楽しみを残す程度にしろよ。俺も選びたい」
服、持って来られなかったもんね…また腹が立つのと悲しいのとで泣きそうだよ…チュッ…pururururu…
「…ぁ…」
彼が私の目元を指でなぞり、軽くキスした瞬間、私のスマホが鳴り
「パパだ…ハイ…パパ?」
反射的に応えた。
ぉっと…桐斗さんは私を抱き起こすと、そのまま密着して聞くの…?
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