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くすぐったい撫で方を我慢すること3分ほどか…茉里の手が中途半端に止まる。
薄く目を開けてみれば、彼女が目を閉じてカクッと首を折る。そうなるか…なるよな。
俺はそっと起き上がると制服姿の彼女の顔にかかった髪をよける。相変わらず綺麗だな…
奥田茉里。
学園で目立つグループにいないことが幸いして、大きな注目を浴びてはいないが断トツで綺麗な女だと思う。目立つグループにいて人気を掻っ攫っていると誤認している奴らのように、盛ったポイントメイクなんてなくても美しい瞳が茉里の最大の魅力。
身長のわりに手足が長いのもスタイルをよく見せているし、ほんの僅か鼻にかかったような声はセクシーでもある。
俺のどストライクの彼女には以前から目をつけていたが、茉里の卒業までは大人しくしておいてやろうと物分りの良い教育者の立場でいた。
だが、先週あたりから何となく落ち着きのない様子で、時折眉間にシワを寄せる彼女を見て、ついに今日彼女を尾行した。
そして、バイト先でことを荒げるのは可哀想だと考えて、茉里が出てくるまで待っていたのだ。
真夜中も過ぎた今、疲れ切ってるよな…酷い姉から逃げて、授業とバイト…襲われる危険まであった家を出てくれたのは大正解。あとはここで俺と暮らせばいい。
学園で目立たないようにしているのは俺も同じ。知る者は数人いるが、栄光学園は代々俺の母方の家族経営だ。かといって、当然皆が教師になるわけではない。俺の従兄弟たちの中で教師になったのは俺だけ。だから表立ってはいないが、経営陣に特別可愛がられている。怖いものはない。
楽しみだな、茉里。
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