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第一章 善意の中にある悪意
『眠れる森』絶望した人間を求め、時を超え、今日も彷徨い続ける。
17世紀、中世フランスにて…
この時代は、王族、貴族は裕福に暮らしていたが、下層にいる市民は貧困に嘆いていた。
上層に位置つけられる者達は、下層に位置つけられる者達を蔑み、虐げていた。
下層に位置つけられる者達は、貧困の中、搾取され、全てを受け入れ、その中で生活していた。
しかし、神に仕える者として、教会だけは、特別な位置付けにされていた。
「神父さま〜」
少女が、教会の神父に歩みよる。
「マイちゃんか。朝ごはんは食べたのかな。」
神父は、優しい顔で、少女に声をかける。
「……」
それを聞いた少女は、返事に困り、下を向く。
「そうか…。」
神父は、悲しげな表情を浮かべ、少女の頭を撫でた。
「神父さま…お父さんがいなくなってから、朝ごはんとお昼ごはんは食べれなくなったの。」
少女は、お腹を手で押さえながら言った。
よく見ると、服も何日着ているのかと思うほど汚れている。
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