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一方…地上では…
僕の名前は、井上良真(りょうま)。今年で中学3年生になる、何の取り柄もない、普通の中学生。
最近は、何をやっても面白くないし、何を考えても憂鬱な気分にしかならない。
友達付き合いにも興味がないし、人と関わるのだって面倒くさい。
「あ〜つまらない…」
僕は、ベットに横になり、天井を見つめていた。
2つ上の兄は、学力優秀で、東京の大学を目指して、将来は政治家を目指すらしい。
そんな出来の良い兄を持ったせいで、僕は、兄と比べられて生きてきた。いつの日か、それにも馴れて、言われる事も面倒くさいと思うようになった。
親も諦めているのか、兄だけに期待すれば良いと思ったのか、何もうるさい事は言わなくなった。
ただ、起きて、学校に行って、ご飯を食べて、寝る。
そんな単調で、つまらない毎日に、どんな意味があるんだろう…
「良真〜ご飯よ〜」
ドア越しに、母親が僕に叫ぶ。
我が家は、家族揃って食事をするんだけど、そこでは、父が兄にしか話しかけない。
多分、僕に話しかけても、素っ気ない返事しか返ってこないのがわかっているから。
本当に、毎日がつまらない。
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