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集めた素材を厳選しながら組み立てる。
三日三晩徹夜した後、組み立てが終わった。
現在、入魂装置付きのベッドの上には、組み立てたばかりの人造人間が仰向けになっており、その頭には電極が付いている。
「…………」
酷い容姿だ。
前世の人造人間同様、つぎはぎだらけなのはまだいい。
前世同様、身長が二メートル超えなのもいい。
白みがかったピンクの肌は、ぶつぶつだらけで、所々に緑色の鱗が付いている。
瞼を閉じているから、今は見えないが、目は猫そのもので、鼻は豚……というより、猪である。
短い髪の毛は、黄褐色、灰褐色、白等のメッシュ。
白い歯は、入れ歯の制作と同様な方法で作られた人工の歯。
脳は猫や猪のものを組み合わせているが、このままでは知能が足りないので、補助するためにCPUやメモリを搭載した基板を接続している。
前世のよりも酷い気がするが、今回は前世のような怪力が出ないようにしてあるし、万が一の時のために、リモコンで動作する停止装置も搭載している。同じ轍は踏まないのだ。
後は魂を吹き込むだけ。
私は入魂装置のレバーを上げる。
人造人間の体に稲妻が走った。
人造人間の体から稲妻が消えると、人造人間は目を開き、むくりと起き上がる。
ついに、人造人間が完成したのだ。
思えば、組み立てよりも、素材集めの方が大変だった。
こんな姿の人造人間だが、いざ完成してみると、体の底から何かが込み上げてきた。
それはけっして嫌なものではなかった。
「誕生、おめでとう」
私は人造人間に声をかけた。すると、人造人間の方もまた口を開いた。
「モケブウニャシャーッポー!」
人造人間の口から放たれた奇声。それは、複数の動物の鳴き声が入り混じったような声だった。
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