2人が本棚に入れています
本棚に追加
カレンと過ごす日々
……それから以後。
私はカレンとお茶したり買い物したりする友人になった。
一緒にテスト勉強をし、お茶をし、ショッピングをする。
可愛い雑貨がいっぱいの雑貨店に学校帰りに寄る、まるで中学生か高校生みたいだ。
「その刺繍がかわいいですわね、猫の刺繍がお好きなら、私作りましょうか」
ポーチの刺繍が可愛くて見ていると、カレンが聞いてきてくれてた。
「その刺繍は? 本当にかわいくて素敵ですわね」
「え? カレン様に作っていただいたんですか?」
「私、教えていただけないかしら」
最初、戸惑っていた他の令嬢たちも巻き込んでいき、みんなして学園生活を楽しんだ。
カレンのニュートを想う気持ちはお父さんへの気持ちの代替で、恋人になるでもなく、結局はそのまま。
隠しルートだったのか違ったのかよくわからない。
ただ、王子は不満そうにしていたが、仕方ないよね。
なぜか、今は、恋愛についてや国の仕事や勉強についての愚痴を聞く相手になっている。
二人の仲はまだ婚約者ではるけれど、どうでもいいかなあ、な気分だ。今は学園生活が、カレンや友人たちとの毎日が楽しくて。
ゲームにハマっていた私からは考えられないほどの意識の変化だ。
こんな生活もいいかな。と思ってたある日。
私はカレンと待ち合わせをしていた。
「あ、カレン様」
手を振る私に気づいたカレンが嬉しそうにかけてくる。そこに暴走する馬車が向かってきていて。
まずい!
「カレン! だめ! 止まって!」
手を広げ駆け出す私と馬車に気づき立ち止まるカレン。
カレンを突き飛ばし、馬車からかばおうとした、したはずがそのまま、そこで意識は飛んだ。
最初のコメントを投稿しよう!