出来ること

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出来ること

※ 立ち上がり歩いていく長身の後ろ姿が最早頼もしい。 いいヤツだな 一真がいるおかげで衣食住には困らないし 金銭的な面をどうにかして、家賃をしはらえばいてもいいよな 「はい」 「ありがとう」 パスタを口に運ぶ。オーソドックスなたらこ風味がなかなか美味しい。野菜や具材はあまりないが、値段的に仕方ないだろう。一真はサンドイッチをつまんでいる。 「けっこう旨い。それは?」 「ん~、普通。今日はコーヒー飲んでばっかだから、水も飲んどこう。ほら」 「うん・・俺、バイトした方がいいよな?」 しなくてもいいって言わないだろうか この時代で自分が使い物になるのか不安だし 水をもらいながら探りをいれてみる。 「社会復帰は早い方がいいんじゃない?」 目が笑ってない様な… 「そうだけど、、この後張り紙見に行ってもいい?あと求人情報誌」 「いやいやいや、それよりスマホ」 「それもスマホ?」 「そ」 さっきより笑顔が輝いた。器用にスマホを操ると、画面を見せていく。 「これはどう?」 「ショップスタッフ?接客はちょっと」 「これは?」 「コールセンターは、、電話はあんまり」 「配達は」 「車には乗ってたけど、後部座席で」 「えー、、そんなに選り好みするとないよ」 「わ、わかってるけど、、それはそうなんだけど」 「じゃあ、一日バイトからかな。半日とかもあるみたい」 自分が出来ることが無さすぎる 楽しくなさそうだ。過去は体が思うようにならないきつさがあったが、今は今で訳もわからず辛い。せっかく選んでくれている彼にも申し訳なくは流石に思う。 「どうしよう…一真、呆れただろ」 「全然。さっきの「鳴ってる」の方がややいらっときた」 「え?ごめん。無意識だ、それ」 「そっからじゃない?でも」 「でも?」 くすりと笑う。 「学の事、嫌いじゃない」 え、何だこれ 心臓が急にうるさくなった。 End
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