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トイチ
駅も大分様子が異なる。切符を切ってくれる駅員はいないし、皆が皆不思議な機械の横を通過していく。掲示もピカピカしている。電気なのか。
「これ何?」
「ここにこうして、ピって音がするから。したら抜けて向こうに行って大丈夫」
「へぇ、、おうわっ!」
「ふはっ」
「びっくりした」
こちらを見てニヤリと笑うので、少し恥ずかしい。
外国だ
外国と同じだ
恥ずかしくはないと心に言い聞かせる。
「そうだ。学の保険証取りに行こう」
「保険証?」
「コールドスリープの人でも調べたら、指紋でもらえるって。税金も払わないとだし、学は仕事はどうするの?」
「シビアだな一一一あのさ、言いたくないけど、お前の家って金あるんだろ?」
「まぁまぁ。何で?」
「かして、欲しいなぁと思って」
屈辱だけど、仕方ないし
今すぐ仕事なんて見つからないだろう
「いいよ。トイチで」
「といち?」
「10日で1割の利率」
「は?それならいい!」
頼む相手間違えた。
「冗談だって。学はすぐ真に受けるんだなぁ」
「・・・性格悪い」
へらっと笑う一真に感想を述べた。
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