5人が本棚に入れています
本棚に追加
SNS
各々パスタとサンドイッチを頼む。コーヒーは二人ともブラックだ。愛想のない店員とのやり取りが済み、空いている茶系のテーブルにつくと、学がため息をついた。
「高いなぁ」
「こんなもんだよ。でも、物価上昇に賃上げが追い付いてないってニュースで言ってるけど」
「ふぅん。未来暗いな、日本」
「そう?明るくなればいいだけじゃないの。人間が」
「お前何にも考えてないだろ?」
「まぁ、考えても仕方ないしね」
スマホを開いてSNSをチェックしていると、視線を感じた。
「それは?」
「SNS、えっと、これが俺のアカウント」
「えすえぬ、、?あかうんと?」
首を傾げている。
宇宙人みたいとゆうか、五才児みたいとゆうか
「説明は…ソーシャルネットワーキングサービスの略で、ここ、読んで」
スマホをかしてやると、じいっと見つめている。
「面白い?」
「前程やってないけど、暇潰しにはなる」
「自分の写真か、怖くないのか?こんな顔でてて」
「笑ってるしわかんないかなぁと」
驚愕している。昔はあり得なかったのだろうか?
「あかうんとは?」
「はい、ここ読んで」
何の授業なんだ。
スマホを渡すとまたもや凝視している。
「難しいなぁ。疲れちゃった」
「べつにやらない人もいるし、やめる人もいるから、気にしなくていいよ」
やりたいとか言われてもスマホ無いしな
「うん。あ、鳴ってる」
「ん?あぁ、取ってくる」
当然のごとく自分にかしづかれてのほほんとしている学に、ややいらっとしたのは言わないでおいた。
最初のコメントを投稿しよう!