ななの月

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ななの月

※ 「俺がそう。文系だから、その原理はわからない」 ひとしきり驚いたが、以前みたSF映画にあった内容だから全くなくはない話だ。 時計の秒針の音が響いて聞こえてくる。自分が暇潰しに助けた人間が過去から来た人間だとは。見た目は普通だ。細いがガリガリではないし、一重の猫顔も普通。 「嘘じゃない」 「えっと、体の細胞は平気なの?」 「痛って!」 「ごめん。あー、痛覚はあるし平気なのかな?」 つねられて学はむすっとしている。 「な、何だよ。俺はお前と変わりない人間だ」 「何年からこっちに来たの?」 「1999年」 「えっ…でも中途半端。映画だと200年後とかさ、そういうんじゃないの?」 「うるさいな。それぐらいで俺の病気が治るって思われたんだろ?」 理由は彼にもわからない様子だ。しかしあの時代の人間なのか。 「あ、ノストラダムスどうなった?ななの月」 「あぁ、何もなかったらしいよ」 「えーっ!?」 今度は学が驚く番だった。
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