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「実家の店を手伝う?」
長期出張から帰ってきた夫に報告したが、私のことにはあまり興味が無いのか、読んでいる新聞から目を離す様子はない。
「君の好きにしたら?僕には関係ないし」
「そのうち保活だっけ?保育園も探すんだろ?」
「話しはそれだけ?」
修司は新聞を閉じ椅子から立ち上がると、そのままリビングを出ようとした。
「待って!修司さん!」
修司は冷めた目を直美に向ける。
「今度は何?生活費はこれまで通り君の口座に振り込むけど?」
「だから君の給料は好きにしたらいい」
結婚してから人前でしか名前を呼ばれた事はない。2人の時は『君』としか呼ばれない。
恋人の事は名前で呼ぶのだろう。
私は修司さんの妻なのに。
さみしい……。
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