叡智の集結

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**** 「おつかれさま。大丈夫?」 今日も当然のようにお昼ごはん抜きでお仕事頑張りました。この会社に入社すると、ストレス食いして太るか、ご飯食べる時間なくて痩せるかの二択。 ようやく就業時間終了の17時になって私が机の引き出しからチョコを出して食べていると、先輩の女性社員、坂下さんが声を掛けてくれた。 坂下さんは天使だ。 いや、女神と言っても過言ではない。 どんなクソ客、あ、間違えた、お客様のカスハラも淡々と真摯に受け止めて、それでいて愚痴をこぼさない。男性課長に仕事を押し付けられても、嫌な顔一つしない。そして後輩女性社員の面倒も見てくれて、みんなが困ってないか心配してくれる。控えめに言って神。 私はチョコをゴックンと飲み込んで、いつも通り坂下さんに泣きついた。 「聞いてくださいよ〜〜!!『上司だすか?』って煽られました〜〜〜!!」 ここから私のマシンガン愚痴トークが始まる。煽られたこと、学歴訊かれたこと、相手の意味不明な保険金請求を全部容認しろと言われたことを、矢継ぎ早に話すと、坂下さんは凄く凄く心配してくれた。 「大丈夫だった…?それもう上司が電話かけてくれたらいいのにね。」 「え?本田課長ですか??かけてくれるわけないじゃないですか〜!あのオヂ、キツイ仕事を私たち女性社員にぶん投げるのが自分の仕事だと思ってますもん!」 本田課長の一番の被害者は坂下さんだ。面倒な案件、キレ狂ってるお客様の対応、そういった仕事は全部坂下さんにぶん投げられる。可哀想。 それでも坂下さんは文句を言わない。 「ごめんね、私にできることがあったらいってね。」 坂下さんはいつも人のことばかり気にかけてる。ほんと女神。坂下さんを見てると、私はまだまだ未熟者だなぁと思う。
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