1、プリティア四聖、襲来!

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 そして、我は国内の飢えに苦しむ村々を救い、更には他国の村々も救っていった。  しかし、そんな我の行いを“良し”としない者達が現れた。  それは為政者共だった。  長年、霊脈を巡って戦争を続けてきた為政者達。そんな彼らの戦争の意義を我の錬金魔法が覆そうとしていた事に恐れをなしたのだ。  中には我から『ジェリーフィールド』を習い共に飢えに苦しむ人々を助けようとしてくれた者も現れたが、どうやら我が編み出した『ジェリーフィールド』は我以外には安全に扱える者は居らず、殆どの者は魔法を暴走させて自らが“ゼリー”になってしまうという悲劇に見舞われた。  やがて、先の事が尾ビレとなり、我を付け狙う者はますます増え、終いには、我を捜し出す為だけに我が此れ迄救ってきた村々をその国の軍が蹂躙するという、痛ましく悍ましい事態が起こってしまった……。  我は絶望した。  我は飢えに苦しむ皆を救いたいが為に『ジェリーフィールド』を編み出したのに。  その魔法が原因で、救った筈の皆が生命(いのち)を落としてしまったのだ。  失意の内に彷徨った我は、気付けば『聖域エデン』へと迷い込んでいた。  其処で、我は先の“『聖域エデン』奪還戦争”で死んだはずの『聖域エデン』を作り上げた青年に出会った。そして、その青年から我は“地球という世界のことと地球の知識”を授けてもらい、我は地球に憧れを懐いた。
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