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──何人も血を伴う争いをせず、平和に暮らすという地球に。
我は己が生まれ落ちた世界に見切りを付け、『聖域エデン』に溜まり貯まった霊脈のエネルギーを用いて、次元に穴を穿ち、開いた穴を通って次元を渡り、そして、新天地たる地球へと辿り着いたのだった。
「──此処は、森の中か……?」
我が次元を渡り、最初に目にしたのは、森──いや林の木々だった。
少し遠くへ目をやると、其処には青年から授かった知識の中にあった建物の姿が木々の合間から垣間見え、我は“地球”に辿り着いたのだと確信した。
──ここから我の第二の人生が始まるのだ!
我はそう意気込み、早速、街へと下りようと第一歩を踏み出した瞬間、
「──そこの不審者、止まりなさい!」
何処からともなく、少女の声が響いてきた。
我は周囲を見渡すも姿は見えず、
「何処を見ているの? あたしはここよ! とう!」
そう少女の台詞が再び響くと、上から一人の少女が飛び降りてきた。
その少女は鳥と炎をモチーフにした赤い衣裳に身を包み、着地と同時にポーズを決める。
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