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「誰が、ストーカーよ! 大人しく黒炭になりなさいよ!」
相変わらずの鳥の形をした炎の塊による攻撃をしてくる朱雀。
元の世界では追っ手から逃げる生活を送っていた我にとっては、最早、その単調な攻撃は見切り済みだ。
我は追い掛けてくる朱雀をどうやって煙に巻くか考えつつ、林の中を突き進む。
「──もう、焦れったいわね。こうなったら、必殺技で決めるわよ!」
必殺技?
我は“必殺技”という単語に無気味さを覚え、足を止めて後ろを振り返った。
そして、そこには凄まじい炎を纏った朱雀が高らかと飛び上がり、
「必殺! 朱雀バーニングフレア・ファイナルアターック!!」
蹴りの態勢で自らが炎の弾丸となって、我へと物凄い速さで迫る。
あ、これ、このままじゃ、我は死ぬ……。
なので、我は咄嗟に、
「Jフィールド展開!」
錬金魔法を使った。
我の前方に顕れる“光の壁”。これが、“Jフィールド”。
防御力は皆無だが、この光の壁を潜ったモノは、
「エーンド・シュー……──」
──ベチャリ!
「げふっ!!」
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